「みんながやってるから」に流されてはいけない

「みんなやってるから」

 

すごい都合のいい言葉ですよね。日本人はこの言葉で納得しちゃうらしい。

 

例えば、アメリカ人を説得するときは、「あなたはヒーローだよ」

イギリス人には「あなたは紳士です」 ドイツ人には「これが規則です」

その国によって、効果的な言葉かけがそれぞれあるようなんです。

同じように日本人の多くは「みんなやってるから」で妙に納得、安心しちゃうことがあるんですよね。

 

この言葉を言われる時って、説明がめんどくさい時とか、説得できる根拠がないときとか、明確な理由がない時に使われていることが多いと思います。

 

私がよく聞くのは、薬の処方を受けるときです。「これは○○の症状をおさえるお薬です。これは○○のときに。たくさんありますけどね。大丈夫ですよ。みなさん飲んでおられますから」薬ってひとそれぞれ効果・副作用が違うし、30年40年後の臨床の結果があって大丈夫といっているのか。

実際にこんなことがありました。ぜんそくのお薬でそれもまた処方時に「みんなこれのんでますから大丈夫ですよ」と言われました。自分の子どもは、発作がおこっているときのみ服用していたのですが、別の医師からぜんそくの発作がでないように毎日その薬を飲むように処方されている子がいました。結局長い期間飲み続けると低身長になるという研究結果がでました。

自分の知らない分野でこの言葉を言われるともう何も言えなくなっちゃうんですよね。でもそれで納得しないことが大事やと思います。

 

友人が退職した時の話。

社外ではあまり話せないようなことが起き、友人は退職を決めました。会社から『知りえたことは口外しない』という内容の誓約書の記入を促されました。「みんな書いてるから」と。 友人は、国家資格を持っていて、守秘義務については職務上の義務で法律でも定められことであり、過去にも書いたことがないと違和感を感じました。直近に退職したAさんに聞いても「そんなものは書いてない」との返事。友人は会社に「Aさんは書いてないと聞きましたが、どういうことですか?」と尋ねると、誓約書の記入の制度が始まったのが友人が辞める直前だったそうです。

会社もいろいろな背景があっての導入だとは思うのですが、ただの口止めですよね。そう感じてしまいますよね。導入するしっかりとした経緯がないからか、説明がめんどくさいから「みんな書いてるから」って説明になったんですよね。

 

実はすごく身近にあって、親なら一度は経験したことあるのではないかと思いますが、「みんな○○だから」を単純に理解できる話。

それは子どもが何か欲しい時のあるある話。

「みんなやってるもん」「みんなって誰?」「えっと…○○くんと○○ちゃん…」「みんなとちゃうやん」 この時点では、こどもも“○○くんやってるの面白そうやなー。ちょっとやってみたいな”くらいの気持ちで、親を説得する理由がないんですよね。

では、「もってへんのクラスの中で自分一人やねん。もってへんから一緒にあそばへんって言われてん。だからほしいねん」っていられたら、子どもなりにしっかりした理由があるってわかるし、ちょっと考えますよね。

 

自分も子どもの時に通ってきた道だから、子どもの「みんなやってるもん」に冷静に対応ができるのです。「みんな○○だから」で何も言えなくなる時、安心してしまうときっていうのは、自分に経験がないことに直面しているとき、不安なときです。

 

 

では、今いろいろと問題になっているワクチン接種は大丈夫ですか?

多くの人はワクチン接種のメリットとデメリットを理解した上で、接種をする・しないを選択していると思います。

一方、多くの人がみんなやってるからやっとかないと…。という理由で接種をしておられるかたがいます。年齢が上がるほどにその傾向があるように感じています。

「みんなやってるから」には何の保証もありません。大丈夫な根拠はありません。

何が起きても、しっかりとした対応がとれるように接種する理由を自分のなかでしっかりと持っておくことが大事だと思います。